「家賃保証」で買ったマンション、数年で保証額が下がった
「家賃保証があるから、空室でも収入は入り続けます」。その安心を売りに、サブリース契約や投資用マンションはすすめられる。だが「保証」される家賃が、ずっと同じとは限らない。減額されることも、期限が区切られていることもある。サブリースをめぐる相談は国民生活センターに多く寄せられ、法律の整備にもつながった。実際の事例から、契約前にできることを見ていく。
事例
ある20代の人は、電話で「家賃が保証される」とすすめられ、約3,500万円のマンションを買った。手元の収支は、毎月およそ2万円の赤字。そして家賃保証には期限があり、5年で切れることを知ったのは、契約のあとだった。
別のある人は、街頭アンケートのあとに電話で誘われた。事務所に通され、夜から翌朝近くまで説明を受け、物件を一度も現地で見ないまま、契約していた。
解説
サブリース(家賃保証)は、オーナーの物件を業者が一括で借り上げて転貸し、入居者の有無にかかわらず一定の賃料をオーナーに支払う仕組みです。ただし「保証」される家賃は、契約の当初額がずっと続くとは限りません。多くの契約には一定期間ごとに家賃を見直す条項があり、借地借家法のもとで減額されることもあります。
2018年には、女性向けシェアハウスの家賃保証をうたった事業者が破綻し、多くのオーナーが返済に行き詰まる問題が起きました。これをきっかけに、2020年に賃貸住宅管理業法(サブリースに関する新しい規制)が整備され、誇大広告の禁止、不当な勧誘の禁止、契約前の重要事項説明が義務づけられました。「家賃保証」と表示する場合は、定期的な家賃見直しがあることや、減額され得ることを併せて示す必要があります。
投資用マンションの勧誘では、国民生活センターに寄せられた相談として、満室を前提にした収支の説明、長時間にわたる勧誘、現地を確認しないままの契約、といった型が報告されています。20代からの相談は数年で約2.5倍に増えています。
契約前に、この一言で確認できる
保証家賃はいつ・どのような条件で見直されますか?減額や業者側からの解約はあり得ますか?契約前の重要事項説明書を見せてください。
「家賃保証」が将来も同額で続く前提で判断しないため。見直し・減額・解約の条件は契約前に書面で確認できるため
確認のポイント
- 「家賃保証」「空室リスクなし」でも、保証家賃は将来見直し・減額され得ることを前提に判断する
- 契約前に重要事項説明書を受け取り、家賃の見直し時期と条件を確認する
- 満室を前提にした収支ではなく、空室・家賃下落・修繕費・金利・税金まで含めた試算を書面でもらう
- その場で契約せず、書類を持ち帰って確認する。長時間・深夜の勧誘では結論を出さない
- 融資や税の話は、勧誘してきた業者ではなく金融機関や専門家に直接確認する
- 困ったときは消費生活センター(消費者ホットライン188)に相談する
関連する解説・チェックリスト
もし、もう困っているとき・確かめたいときの公的な窓口
トラブルにあったときも、契約前の確認のときも、次の公的な窓口に相談できます。いずれも中立の公的機関です。
- 消費者ホットライン 188(いやや) →
契約や解約でのトラブル・不安を、まず相談できる最寄りの消費生活センターにつながります。
- 国土交通省 宅地建物取引業者 検索 →
免許の登録内容を、国の公式データベースで直接確認できます。
- 国土交通省 ネガティブ情報等検索サイト →
行政処分の記録を、公表元で直接確認できます。
- 不動産適正取引推進機構(RETIO) →
不動産取引の相談・紛争処理を扱う公的な機関です。