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住宅ローンの選び方・比較の基礎

住宅ローンは、金利の低さだけで選ぶと後で判断を誤りやすい商品です。金利のタイプ・諸費用を含めた総返済額・無理のない返済額の3つを、 相場の予測ではなく自分の家計に合わせて決めます。ここでは、その判断材料を整理します。

  • 金利タイプ:変動・固定期間選択・全期間固定を、金利が上がったときに耐えられるかで選ぶ
  • 総返済額:金利だけでなく、事務手数料・保証料などの諸費用を含めた総額で比べる
  • 返済負担率:年収に対する年間返済額の割合を、無理のない範囲に抑える

金利の水準や今後の見通しはここでは扱いません(時期によって変わり、予測は誰にもできないためです)。金額でなく、選び方の軸を整理します。

金利タイプは「上昇に耐えられるか」で選ぶ

金利のタイプは大きく3つです。まず、変動金利は固定金利より金利が低いのがふつうですが、それには理由があります。 変動金利は、返済の途中で金利が上がれば毎月の返済額も増える仕組みで、その「金利が上がるリスク」を借りる人が引き受けます。そのぶん金利が低く設定されています。 固定金利は、借りたときの金利が完済まで変わらず、上がるリスクを金融機関の側が引き受けるため、金利は高めです。

どちらが得かは、その後の金利がどう動くかで決まるので、事前には分かりません。予測で選ぶものではないということです。 代わりに分かるのは「金利が上がって返済額が増えても、自分の家計が耐えられるか」です。これが選ぶときの軸になります。

金利タイプ金利(目安)金利上昇のリスク向いている人
変動金利型低め借り手が負う(返済の途中で金利が上がると返済額が増える)家計に余裕がある・自己資金が多い・借入額が少なめか期間が短い人
固定期間選択型中間当初の固定期間が終わると変わりうるはじめの一定期間だけ返済額を固定したい人
全期間固定型(フラット35など)高め借入時に完済まで確定する(貸し手が負う)長期で返済額を確定させたい・家計に余裕を持たせたい人

金利変動のリスクは、貯蓄や保険では備えられません。変動を選ぶなら、金利が上がって返済額が増えても払えるかを、借りる前に試算しておきます。 調査では変動金利を選ぶ人が最も多くなっています(2025年4月の調査時点。割合は時期によって変わります)。

変動金利には、返済額の急な増加をやわらげる仕組み(一定期間は返済額を据え置くなど)を設けている金融機関もありますが、 内容は金融機関によって異なり、すべてに共通する決まりではありません。据え置かれた分の利息が後で残ることもあるため、条件を個別に確認します。

どのタイプを選ぶか(決め方)

金利がこの先どう動くかは予測できません。相場を当てにいくのではなく、次の順で自分の家計から決めます。

  1. 変動金利で、金利が1〜2%上がったときの返済額を試算する。各金融機関のサイトの返済シミュレーションで出せます。
  2. その増えた返済額を、いまの家計で払い続けられるかを見る。無理なく払えて、なお貯蓄や収入に余裕があるなら、変動金利が候補になります。
  3. 払うのが厳しい・貯蓄が薄い・35年など長期で借りるなら、全期間固定(フラット35など)が候補。返済額が最後まで変わらない安心を、やや高い金利で選ぶ形です。当初の数年だけ支出が重い(教育費が重なる時期など)なら、固定期間選択も候補になります。

迷うときは、返済額が読める固定寄りにすると家計の計画を立てやすくなります。変動と固定を組み合わせる方法もあります。 どのタイプを選ぶ場合でも、最後は金利だけでなく諸費用を含めた総返済額で比べて決めます。

比較は「金利+諸費用」の総返済額で

金利だけを見て比べると、判断を誤ることがあります。ローンには金利のほかに、事務手数料・保証料などの費用がかかり、 これらは商品によって組み立てが違うためです。

たとえば事務手数料には、借入額に関わらず一定の「定額型」と、借入額の一定割合(2%台が多い)の「定率型」があります。 金利が低い商品ほど定率の手数料が高い、保証料が必要な商品は金利が低め、といったトレードオフが起きます。 金利・手数料・保証料をまとめた総返済額で比べると、実際の負担が見えます。金額は金融機関ごとに異なり、公的に決まった額はありません。

返済負担率の目安を知る

借りられる額と、無理なく返せる額は違います。目安になるのが「返済負担率」(年収に対する年間返済額の割合)です。 全期間固定のフラット35では、次の基準が公表されています。

  • 年収400万円未満 … 総返済負担率30%以下
  • 年収400万円以上 … 総返済負担率35%以下
  • この割合は、住宅ローン以外の借入(自動車・教育・カード・分割払いなど)も合算して計算する

これは審査に通る「上限」であって、無理なく返せる額そのものではありません。教育費や車の買い替えなど、 今後の支出も見込んで、上限より低めに抑えておくと家計に余裕が残ります。

全期間固定のフラット35を知っておく

フラット35は、住宅金融支援機構と民間金融機関が扱う全期間固定金利型のローンです。全期間固定を検討するときの比較先になります。

  • 借入時に完済までの金利が確定する(最長35年)
  • 借入額は100万円以上1億2,000万円以下(建設費・購入価額以内)
  • 団体信用生命保険(団信)への加入は任意。加入しない場合は借入金利が下がる
  • 床面積などの技術基準を満たす住宅であることが条件

ローンにかかる税金・登記の費用

住宅ローンを組むと、金利や手数料のほかに、契約と登記にかかる費用が発生します。金額は物件や借入額で変わりますが、次の点は確認できます。

ローン契約書の印紙税。住宅ローンの契約書(金銭消費貸借契約書)に貼る印紙税は、借入額で決まります。売買契約書のような軽減措置の対象ではないため、 本来の税額がかかる点に注意します。

抵当権設定登記の登録免許税。借入のために設定する抵当権の登記にかかる税金です。本来は借入額の0.4%ですが、住宅用家屋の要件を満たすと0.1%に軽減されます (2027年3月31日までの措置。要件や期限は変わることがあります)。

火災保険。多くの場合、購入する住宅への火災保険加入が借入の条件になります。補償の選び方は火災保険の選び方で整理しています。諸費用の全体像は売買の諸費用チェックリストで確認できます。

契約前に確認すること(チェックリスト)

  • 金利タイプ(変動・固定期間選択・全期間固定)の違いと、自分の家計での向き不向きを確認した
  • 変動を選ぶ場合、金利が上がって返済額が増えても払えるかを試算した
  • 金利だけでなく、事務手数料・保証料を含めた総返済額で複数の商品を比べた
  • 年間返済額が、無理のない返済負担率(上限より低め)に収まっているかを確認した
  • ローン以外の借入も合算して、返済負担率を計算した
  • ローン契約書の印紙税・抵当権設定登記の費用など、借入にかかる費用を確認した
  • 団体信用生命保険の内容(加入の要否・保障範囲)を確認した

物件を仲介する会社の公開情報も確認しておく

資金計画やローンの案内は、物件を仲介する会社を通して受けることが多くあります。依頼する前に、その会社の公開情報を確認してから決めます。 免許の状態・行政処分歴・商号や所在地の変更履歴は、このサイトの検索で確認できます。

業者を検索する →

トップの検索窓に会社名・免許番号を入れると、免許の状態や行政処分歴などの公開情報を確認できます。

契約の前に、第三者の目を入れる

チェックリストを通しても、判断に迷う点は残る。契約書の条項、建物の状態、資金計画。 取引の相手方とは別の、専門にしている人に一度見てもらう手もある。

※ 以下のリンクには広告(アフィリエイト)を含む。費用や利用条件は各サービスで確認を。

出典:住宅金融支援機構「フラット35」(金利のタイプ・ご利用条件・団信)、全国銀行協会(金利タイプの選び方)、国税庁「印紙税額の一覧」「登録免許税の税額表」。いずれも2026年7月時点で確認。 金利の水準・手数料・軽減措置の期限は変わります。実際の金利・費用・返済額は、契約前に各金融機関の商品説明や返済シミュレーションで確認してください。