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賃貸・募集広告

「今ちょうど決まりました」——来店したら別の物件をすすめられた

相場より明らかに安い。駅近で、築浅で、初期費用も低い。そんな部屋を見つけて問い合わせ、来店した人を待っているのは、決まってこの一言だ。「すみません、たった今決まってしまって」。「おとり広告」と呼ばれる流れには、共通のパターンがある。公的機関に寄せられた相談から、来店前にできることを見ていく。

事例

条件のいい部屋だった。相場より安く、写真もきれい。その人は問い合わせて、内見のつもりで店に向かった。

店に着くと、開口一番こう言われた。「たった今、決まってしまいました」。残念に思いつつ、すすめられるまま、別の部屋をいくつか案内された。

おかしいと気づいたのは、後日だった。「決まった」はずのあの部屋の広告は、1か月たってもサイトに残っていた。別のサイトにも、同じ部屋がまだ載っていた。

解説

広告に出ている物件が、すでに契約済みなどで実際には取引できないのに、削除されずに残っているものを「おとり広告」といいます。消費者庁や不動産公正取引協議会は、おとり広告を大きく3つの類型に整理しています。実在しない物件、契約済みで取引できない物件、物件はあるが取引する意思のない物件です。協議会によると、特に多いのは「契約済みなのに削除されず残っている」類型とされています。

相場より明らかに安い物件は問い合わせを多く集めます。そのため、好条件の物件で来店につなげ、来店後に別の物件をすすめる、という流れが起きやすくなります。

公的なデータでも、この問題は小さくありません。首都圏不動産公正取引協議会がまとめた2023年度の共有結果では、全国で共有された違反物件情報は1,275件、うち契約済みで取引できないおとり広告は313件と、前年度の約1.5倍に増えています。協議会の月別の措置では、契約済みになった後も数か月にわたり広告が続いていた物件について、違約金が課された例も公表されています。

契約前に、この一言で確認できる

この物件は今も契約できますか?○月○日に内見の予約を入れてもらえますか?

来店前の電話で募集中かと内見日を確定させれば、来店してから「今決まった」と言われる流れを避けられるため

確認のポイント

  • 相場より明らかに安い物件は、なぜ安いのかを来店前に電話で確認する
  • 好条件なのに長く掲載され続けている物件は、本当に募集中か確認する
  • 同じ物件が複数のサイトに出ている場合、家賃・初期費用・入居時期に食い違いがないか見る
  • 問い合わせの電話で「この物件は今も契約可能か」を明言してもらう
  • 来店してすぐ別の物件をすすめられても、その場で申込・契約をしない
  • 気になる広告は、地域の不動産公正取引協議会や消費生活センター(消費者ホットライン188)に情報提供できる

関連する解説・チェックリスト

おとり広告とは賃貸を借りる前のチェックリスト

参考(一次ソース)

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