おとり広告とは
好条件の物件を見つけて問い合わせたら「ちょうど決まってしまった」と言われ、別の物件をすすめられた。こうした体験の背景に、「おとり広告」と呼ばれる広告手法が関わっていることがあります。来店前に確認できることを整理します。
おとり広告とは
おとり広告とは、実際には取引できない物件を広告に載せ、問い合わせや来店のきっかけにする表示のことです。
具体的には、実在しない物件、すでに契約済みで取引できない物件、物件は存在するものの実際には取引する意思がない物件などが該当します。たとえば、広告の物件について問い合わせたのに、最初からその物件を案内せず、別の物件ばかりすすめるようなケースです。
不動産広告は「不動産の表示に関する公正競争規約」でルールが定められており、おとり広告は禁止されています。また、景品表示法に基づく消費者庁の告示「不動産のおとり広告に関する表示」でも、不当表示として規制されています。
なぜ起きるのか
好条件の物件は、多くの問い合わせを集めます。相場より安く見える家賃、駅近、築浅、初期費用が低い物件などは、来店につなげる入口になりやすいからです。
そのため、すでに募集が終わった物件や、実際には案内できない物件を広告に残したままにして、問い合わせ後に別の物件をすすめる流れが生まれることがあります。
一方で、掲載が残っているからといって、すべてが意図的なおとり広告とは限りません。物件情報の更新が遅れ、契約済みの物件が一時的に残ってしまうケースもあります。意図的な集客目的の場合と、管理・更新が追いついていない場合の両方があります。
ただし、問い合わせのたびに「決まったばかりです」と言われる、内見日時を決めようとすると話が変わる、広告の物件ではなく別物件への来店を強くすすめられる、といったことが続く場合は注意が必要です。
来店前に確認する方法
問い合わせの段階で、「この物件は今も募集中か」「いつ内見できるか」を具体的に確認します。単に「空いていますか」と聞くより、「○月○日の午前に内見できますか」と日付を入れて聞くと、案内可能かどうかがはっきりしやすくなります。
来店をすすめられた場合は、広告に出ていた物件そのものを内見できるのかを確認します。「来店してから紹介します」と言われたときは、その物件がまだ募集されているのか、内見予約が取れているのかを聞いておきます。
同じ物件が複数のサイトに出ている場合は、家賃、管理費、敷金・礼金、所在地、間取り、入居可能時期が大きく違っていないかも確認材料になります。
気になる点があった場合は、広告ページのURL、スクリーンショット、掲載日時、問い合わせ日時、担当者の回答内容を残しておくと、後で確認しやすくなります。
気になった広告は、地域の不動産公正取引協議会や消費者庁の情報提供窓口に相談・情報提供することもできます。
業者に聞く質問
そのまま業者に渡せる質問です。回答を書面でもらうと、後から確認できます。
この物件は今も募集中ですか?○月○日に内見できますか?
募集が終わっていないか、実際に案内できる物件かを日付つきで確認するため
広告に出ていたこの物件そのものを内見できますか?
問い合わせの入口になった物件が、実際に取引できる状態かを確認するため
この物件が内見できない場合、理由は何ですか?契約済みですか、申込中ですか?
募集終了・申込中・貸主都合など、案内できない理由を確認するため
広告の条件と、実際に契約できる条件は同じですか?
家賃・管理費・初期費用・入居時期などが広告と違っていないか確認するため
来店前に、この物件の空室確認と内見予約の可否をメールで送ってもらえますか?
後から確認できる記録を残すため